MⅡウォールの概要
近年、土木工事に対して、施工の合理化や環境対策が求められています。 そこで、従来のコンクリート擁壁においても、省人化・省力化等を目的としたプレキャスト化や、 資源の有効利用を目的とした現地発生土やコンクリート塊等をブロック内へ埋戻すための大型ブロック化が進められています。
この現状を踏まえ、当社は多用途性コンクリートブロック積み擁壁として、MⅡウォールを開発しました。
MⅡウォールは、バランス工法擁壁の縦壁部をプレキャスト化することを目的として開発しており、 ブロック両面は、直立した面と勾配のある(1:0.4)面を有しています。
控長は0.8~2.8mまでの5種類のブロックを用意しています。
これらのブロックをフルに利用して、あらゆるタイプの擁壁をプレキャスト化することを可能にした大型ブロック積み擁壁です。
ブロック仕様
MⅡウォールの特徴
6種類のブロックを様々に積み上げることにより、多種多様な擁壁形状が考えられます。
ブロック上下間の連結は、ブロックに設けてある楕円形の鉄筋挿入孔に鉄筋を設置し、モルタルを充填することにより固定します。
ブロック内充填材料は、現場打ちコンクリートの他、現地発生土や再生砕石等を使用し、環境に配慮した設計・施工とすることができます。
プレキャストブロックであるため、擁壁構築の工期の短縮をすることができます。 災害被災地の復旧工事等、緊急を要する現場での活用が可能です。
MⅡウォールの設計
MⅡウォールは多用途性のブロックであるため、使用するブロックの大きさや積み重ね方により様々な断面形状となります。その使用目的や準拠する基準により適した設計手法を用います。
特にMⅡウォールは、多用途性を持たせているため、使用するブロックの大きさや積み重ね方によって様々な構造になります。 よって、その使用目的や要求される性能から判断して、最も適した設計思想および設計手法を取り入れるようにしています。 その中で、若干現行の指針等にはない設計方法に関しては、今後実証試験等により裏付けていく必要があると考えています。
MⅡウォールの施工
1.基礎コンクリート
ブロックを空積みする場合は、通常20cm厚程度の無筋コンクリートを打設します。
2.底版の施工
擁壁として一体化された底版を構築する場合は、ブロック固定用の鉄筋を設置し、底版内も所定の配筋をします。
ブロックの吊り上げ
ブロックは、大きさによってそれぞれ写真のような道具を使って吊り上げます。
1段目ブロック設置
ブロック連結用鉄筋
擁壁背面側からの側圧に対応するために鉄筋を設置し、モルタルにて固定します。
発生土の利用
ここでは、ブロック内の充填材料に現地発生土を利用しました。
背面埋め戻し
裏込め排水材料を埋戻し、転圧します。
上部のフロントブロック使用
高壁高さが1m(フロントブロック1段)程度までならば、フロントブロックを設置して埋戻し可能です。(車両防護柵が設置されない場合)
水抜き処理について
排水孔を設置し、背面湧水を擁壁前面へ導く場合、ブロック端部の切り欠き部を用いて水抜きパイプをブロック内に設置します。
MⅡウォールの現場写真
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